コロナ禍で重要になる最適化モデル(3)サービスネットワーク設計
サービスネットワーク設計
コロナ禍では,スーパーでの買い物より,宅配を依頼することが増えてきます.自然とEC (electronic commerce)が増加することになりますが,ECは小口の貨物を集約して運ぶ物流方式によって支えられています.
このような小口貨物の輸送では,物資は発地から着地まで直送されるのではなく,適当な地点に集約し,そこで積み替えて輸送することによって効率化を図ります.サプライ・チェインの最適化理論では,これはサービスネットワーク設計モデルと呼ばれます.
多対多の需要をもつネットワーク設計モデルは,多品種ネットワーク設計と呼ばれ古くから多くの研究がされてきました.サービスネットワーク設計モデルは,この多品種ネットワーク設計モデルに,幾つかの実務的に必要な制約を付加したモデルであると考えられます.
1つ目の制約は,発地から着地までの経路が1本のパスになっていないといけないという条件です.2つ目の制約は,1つの着地点への荷物が,一度合流したら枝分かれをしないという条件(これを入木条件と呼びます)です.
また,通常はトラックで輸送するので,トラックの種類(大きさや冷凍設備の有無)や費用を考慮する必要があります.さらに,トラックの運転手の休憩時間や巡回型の輸送についても考慮する必要があります.
このような複雑な制約の下で全体最適を行うことは容易ではありません.弊社では,最新の数理最適化のテクニックを駆使して,このモデル特有の構造を利用した解法を構築しており,実際規模の問題例でも短時間で良好な解を算出することを確認しています.
詳細については,サービスネットワーク設計システム SENDOのページをご参照下さい.