コロナ禍で重要になる最適化モデル(2)リスク分析
リスク分析
パンデミックが発生するとグローバル・サプライ・チェインの途絶が発生します.たとえば,covid-19のため,インドと中国間の物流が停止したため,部品の供給ができなくなった工場は,生産停止に追い込まれています.
このような問題を解決するための最適化モデルが,サプライ・チェイン・リスク分析モデルです.このモデルでは,工場を点とした輸送グラフと,製品を点とした部品展開表の2つのグラフが中心的な役割を果たします.
輸送グラフとは,工場を点とし,輸送可能な点対が枝のグラフです.各工場には,生産可能な製品の情報が付加されています.
部品展開表とは,製品(部品)を点とし,どの製品がどの部品から構成されるかを枝で表します.枝上には,必要な部品数を重みとして与えます.
この2つのグラフから生産グラフが得られます.このグラフの点は,工場と製品の組で,各組に対してパイプライン在庫量が与えられます.枝は,ある工場で生産される製品が,どの工場で生産された部品から構成されるかを表します.最終製品には需要量(1日あたりの生産必要量)が与えられ,工場には生産容量が決められています.
生産グラフの各点(工場と製品の組)が,何らかの原因で途絶(生産停止)したときに,最終需要が品切れになるまでに日数を「生存時間 (time to survival: TTS)と呼び,これを最小化します.
TTSが小さい点は途絶の影響が大きい点なので,注意が必要です.その点が途絶が発生する確率が高い地域にある場合には,デュアルソーシングやと緊急時に使用するリスク在庫の準備などの施策を検討すべきです.
詳細については,リスク分析システムの製品ページをご参照下さい.