新技術がSCMに与える影響

新しい技術がSCMに与える影響について考察する.

1. モバイルコンピューティング:インターネットに接続した携帯端末の普及は急激に進んでいる.これを利用してSCMを効率化する方法はいくらでもあるのだが,現状では巧く使っている企業は少ない.これは今すぐにでも使える技術であり,その影響は多大である.たとえば,宅配便の配達における再配達が問題になっているが,訪問予定時刻を携帯端末に通信し,不在の場合には訪問希望時間を入力できるような簡易アプリを配布しておくだけで,再配達は大幅に減少するだろう.訪問時間の変更のためにはポイントもしくは別料金が必要で,変更なしで在宅した場合にはポイントが増え,配達の料金に使えるような工夫をすれば,多くのユーザがアプリをインストールするだろう.このようなシステムを稼働させるためには,きちんと配送計画をたてておく必要があり,さらには情報が変化した場合の再ルーティングなどが必要になる.現在の配送計画の技術を使えば,これはそれほど難しいことではない.

2.自動運転車:自動運転車はすでに実用の寸前まできている.後は法律をどうクリアするかだが,高速道路から規制が緩和され,長距離便が自動運転トラックで運用できるようになると考えられる.この技術はおそらく欧米では10年後くらいに実用になるが,日本だけ法律の立ち後れが危惧される.これにより,長距離便の費用が低減されるので,サプライ・チェイン全体の設計をし直す必要が出てくる.

3.ドローン:一時期流行したドローンだが,サプライ・チェインに与える影響は小さい.配達をドローンで行うというと聞こえは良いが,積載可能な荷物の大きさに制限があることや,バッテリーがもたないため長短距離輸送しかできないことなどがネックになり,実用化は遠いと考えられる.超短距離の超高速輸送で,かつ軽量のものなら可能であるが,やはりサプライ・チェイン全体に影響は小さいと言わざるを得ない.アマゾンなどは,充電機能付きの宅配ポストをいたるところに配置するとか,飛行船をとばしてそこからドローンを発進させるなどの特許を出しているが,実用になるとは考えにくい.

4.3Dプリンタ:これはサプライ・チェインというより製造に革命をもたらす「可能性」がある.ただ今すぐに革命が起きるという訳ではなく,しばらくは楽しい玩具として普及し,やがて一部の製造に利用する時代がくると考えられる.

5.クラウド:これは新しい技術という訳ではなく,時代の流れで当然のことなのだが,自社でサーバーをたてて運用する時代は過去のものになりつつある.クラウドは情報の漏洩が心配だというのは逆であり,自社サーバーの方がはるかに危険だ.古い技術に固執した情報担当がいる会社は,新しい技術が安全で安価なことを勉強して移行していかないといけない.

 

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